唐辛子たちとの出会い
世界には約3000種類以上の唐辛子があることがわかり、私達の食しているものはそのごく ごく僅かであることがわかりました。これは、何とか世界中の唐辛子を日本中の人々に知ってもらいた いな・・・と尊大な夢を持ち始めました。
そんな時、1999年の8月、「日本テレビ」の朝の情報番組で世界の唐辛子を栽培研究しているとこ ろがあり紹介されていました。スタジオのキャスターが、今では有名な「ハバネロ」を生で食べさせら れていて「悶絶」している映像・・・(笑)。それを見て「うらやましい・・・・」と、つぶやいている 私(笑)。当時は、「ハバネロ」の名前すら珍しく、まして生で食べられるなんて本当に貴重なものでし た。
早速、テレビ局に問い合わせをして施設の名前を教えていただき、連絡して、担当者とお会いすること ができました。そこは神奈川県の農業試験場でした。
今でも覚えています。8月の灼熱の太陽の下、休日にも関わらず担当者の方が出勤して頂き、圃場に 案内して頂きました。
そこには60種類以上の世界の唐辛子が試験的に栽培されていました。私が今まで本の世界でしか見た ことのない、唐辛子が現実に目の前にあったのです。今では有名になった「ハバネロ」も何種類も栽培 されていました。それはもう、嬉しくて嬉しくて・・・。
私は口の感覚がなくなるほど、60種類以上の唐辛子を味見しました。今では笑い話ですが、真夏の太 陽の暑さと唐辛子の辛さで失神しそうになりました。
なんて綺麗な畑なんだ…
唐辛子畑は辛さ以外に、もう一つ他の作物畑にはない魅力がありました。それは畑が美しいとい うことです。その時の第一印象は、「なんてきれいな畑なんだ!!」。
唐辛子の実の大きさが、小指の先の大きさのものから10センチはある唐辛子、細長いものから丸い ものそして、実の色が素晴らしく、赤や緑、黄色、オレンジ、紫、畑は虹色に光っていて本当に息を 飲むほどの美しい光景でした。
私は、一応・・・農学部出身ですので、大概の農作物の風景は知っていましたが、これは今まで見た ことがない「宝石箱みたいな畑だ!!」と・・・。夕日に照らされた真っ赤な実は本当に「赤いダイヤ モンド」のようでした。
私が唐辛子に魅せられたのは、もしかすると辛さよりも畑の美しさだったのかもしれません・・・。